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推奨技能:めぼし

ここらでしっかりと人生に向き合ってみることにした。主にTRPGに関することについて書いていきます。

動画からTRPGに入った俺が抱いてしまった「ロール主義」からの脱出

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今回は「動画からTRPGに入った俺が抱いてしまっていた『ロール至上主義』」について書いていく。つまりは、「俺、またやっちまった…みんなすまねぇ…」という個人的な反省文だ。

だが、「動画からTRPGに入った」多くの人が以前の俺と同じ誤解をしている可能性があることを考えて、ここに書いておくことにした。

これは、「ロール」に狂った男の独白であり戒めである。

「ロールはそんなに重要か?」

ロールの魅力に取り憑かれた男 

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 俺がクトゥルフ神話TRPGに興味を持ったきっかけは、以下の動画を視聴したことだ。

改めて書くまでもないとは思うが、あらすじを説明する。

探索者たちは気がつくと見覚えのない場所にいた。

以前の記憶はほとんどなく、なぜ自分たちがここにいるのかもわからない。

疑念にかられながら、部屋に唯一あったドアを開くと、そこには惨劇の痕が広がっていた。ここで何が起きたのか。自分たちは何者なのか。そして、生きて帰れるのか。

探索が始まる。 

まだ見ていない人はぜひ視聴してみてほしい。クトゥルフ神話TRPGの魅力がコンパクトに詰まっている名作だ。

 

現時点(2017年3月末)でおよそ300万再生されている。この動画はクトゥルフ神話TRPGのプレイヤーに多くの「新規参入層」を増やしたに違いない。が、この時点では、俺にとってのクトゥルフ神話TRPG「見て楽しむもの」だった。

 

「自分もクトゥルフ神話TRPGをプレイしてみたい!」という欲求にかられるきっかけになったのが以下の動画だ。

 

先に挙げた動画では、プレイヤーの方々が「ほぼそのまま」探索者として登場していたのに対して、この動画のシリーズでは完全な「キャラクター」としてロールしていた。その自由奔放ぶりとドラマ性の高さは観ていて面白いだけでなく、「自分も濃いキャラクターを作成して探索したい」という気持ちを呼びおこすものだった。

これ以降、俺は「チェッカー卓」を中心に多くのTRPG動画を視聴することとなる。

 ふざけた名前からは想像もつかないほどに熱い台詞を言うキャラクターもいれば、まともかと思いきや徐々にその「ヤバさ」があらわになるキャラクターもいた。濃いキャラクターたちの挙動に笑い、時には心を動かされてきた。

 

こうして、多くの再生回数を誇る配信者のセッション動画(あるいは配信)を複数視聴するうちに、俺の中でTRPGにおける「ロール偏重主義」あるいは「ロール至上主義」が形成されつつあった。

仮説「一般的に、GMは過度なロール要求をするべきではない」

そんな中、昨年末のある日、俺は友人と初めてのクトゥルフ神話TRPG(オフラインセッション)を行う運びとなった。

ようやく、念願かなっての実卓。GMとして上手くできるかはわからないけど、とにかくやってみよう。

 

「果たしてこの友人はどんなキャラクターを作るのだろうか」

「そのキャラクターはどんな口調で喋るのだろうか?」

「そいつはこのシナリオで生き残れるだろうか?」

期待と不安が入り混じる。GMとしての俺の注目点は、友人の「ロール」だけに集中してしまっていた。

 

拙い説明でキャラクター作成の方法やクトゥルフ神話TRPGというゲームの進め方、目的などを伝え、いざセッション開始。

最初に探索者の状況を説明したのちに俺は「ロールどうぞ」と言った。

友人「え?」

 

よくわからないゲームが始まったと思ったら、よくわからない指示が飛んできたぞ?という表情を見せる友人。そりゃそうだ。だって彼はそれまでクトゥルフ神話TRPGの動画なんて見たことがなかったのだから。

 

その時、俺はまだ"GM"にはなっていなかった。ただの"視聴者"だった。

編集され、動画化されたキャラクターたちのような活躍を見たくてたまらない欲しがりだった。それを、初めてTRPGを遊ぶ友人に求めてしまった!

 

これは「動画勢出身のGM」がやってしまいがちな要求、かもしれない(俺だけの可能性もなきにしもあらず、だけど)

もちろん、ロールを指示すること自体は間違いではない。それは進行の都合上必要な場合もあるからだ。

問題は、プレイヤーがそう言われて上手くロールできなかった時に「負い目」を感じてしまう可能性にある。

 

「ロールを楽しむも良し、謎解きを楽しむもよし」

「そもそも演技が得意/好き」という人にとってTRPGはうってつけの遊びだ。

しかし「謎解きや探索が得意/好き」という人にとっても大好物の遊びだと俺は思う。

というか、シナリオを書いていると、その両方のバランスをどうやって取るか悩むくらいには「ストーリー」と「ギミック」は欠かせない条件になってくる。

 

プレイヤーはロールが苦手だからと言って「このゲームは自分には難しい…」なんて思う必要はない。

そして、GMはあまりロールをしてもらえなかったからと言って「今回のシナリオは上手くいかなかったな…楽しんでもらえなかったな…」と思う必要はない。

と個人的には思う。

 

その後のセッションでも俺は時々「じゃあそこはロールしてくれ」などという厚かましいGM発言をしてしまっていたが、今では反省している。(これを読んでくれている友人でかつて俺GMのセッションで聞いた覚えがある人もいると思う。すまぬ。)

結論:TPRGの楽しみ方は人それぞれ

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というわけで、動画から入った俺は「ロール至上主義」になってしまっていた。しかし、シナリオを書くようになって、そんな程度ではTRPGの本当の魅力を損なってしまっているかもしれないと思うようになった。という至極個人的な反省文を提出させてもらった。

 

クトゥルフ神話TRPGをやりたい、思う人の動機はなんだっていいと思う。

自分のお気に入りのキャラクターのロールがしたい。他の探索者やNPCとの掛け合いが好きだ。迫り来る恐怖から逃れるスリルを味わいたい。休日の暇な時間を楽しく過ごしたい。

どれも動機として十分すぎる。

あとは、集まったGMとプレイヤーがそれぞれのTRPGの楽しみ方を尊重しつつ、全員が「楽しかった!」と言える時間にすることができれば「神は天にいまし、全て世はこともなし」である。

 

これを読んでくれた俺と同じような動画勢=視聴者の人が、少しでも他のTRPGのプレイスタイルに寛容になってくれることを願う。

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